NHKホール/syrup16g

帰ってきて一人で部屋にいると、やっぱなんか眠れないな。
少し飲んでみたけど、さっぱり酔わないな。
今日のライブはとても響いた。
いつにもまして丁寧でひたむきな演奏と唄だった。
曲を愛しんでるような、客席にありったけ感謝してるような、そんな気がした。
本編と一回目のアンコールまで、こりゃスゴいライブだと、ただそれだけ思ってた。


ほんの少し前には知らされてたけど、
二度目のアンコールで、五十嵐くん自身の口から「終了」とハッキリ聞くと、
あぁほんとにシロップは終わるんだなあと思って、
Free Throwの頃、COPYの頃、そして今年の事も、
あるいは新宿のJAMで見た事、2回の野音の事、新宿のリキッドルームのオールナイトの事、赤坂ブリッツのイベントの事、つい先日のハッチの事など、
ランダムに思い出されて、混乱した。
99年に渋谷のネストで初めて見て、「なんだか暗いなぁ、『真空』は好きだけど」なんていい加減な感想を持った事も思い出した。
レコーディングが突然キャンセルされて、まわりのスタッフがブンブン怒ってたこととか、
『翌日』のPVを新宿のビルの屋上で撮った日のこととか、
3年続くと思ってなかった924の事とか、だいぶいろいろ、沢山。
イチイチ思い出すけど、どれもこれも良かったなあ。
陳腐な言い方だけど、シロップは他に変わるものがない、ほんと差し替えのきかないバンドだ。
ファンの立場で言えば、
シロップの事なんか全然知らないで生活してた時代の方が長いのに、98年まではそうだったのに、
知ってしまってからは、知らず知らずの内に、胸の中の隅っこがシロップを欲してた。
アルバムを出す度に、歴史を重ねる度に、その部分がどんどん大きくなってしまった。
出会ってなければそんな事なかったのに、求める部分がこんなに成長しちゃったのに、こんなに大きくさせといて『終了』とはなんだ。
そう言いたくなるけど、
知る不幸と知らない不幸があるなら、やっぱり僕は知っていたい。
どんなに別れがつらくとも、最初っから出会ってないより、出会って良かったと思える方がいいと思う。
なので、まだ早いけど、まだ武道館があるけど、
自分が生きていた時代、彼らの音楽を受け止められる感性をまだ持ってた年頃に、syrup16gが存在してくれてた事に
感謝したい。今はそんな気持ちです。


今日のMCは唐突だったけど、
この後に一枚、ニューアルバムがある。そして無謀とも思える、キャリア最大キャパの武道館がある。
新譜を求める声、チケットを求める声、両方に答えてる。
これが、シロップが今まで応援してくれた人たちへ向けて最大限、出来る事なのだろうと思う。
彼らのケジメであり、感謝の印だと感じる。
感謝してるのはこっちの方なんだけどなと、本気で思う自分もいる。

新譜は1月、武道館は3月、まだ終わってない。
終わった後の事を考えるより、どんなアルバムに出会えるのか、どんなライブを見せられるのか、どう感じるのかを
心から期待して待っていたい。受け止めてちゃんと味わえる自分でいたい。
だから気持ちも体も元気でいないと。
とっちらかってますが、今日はそんな事考えてます。
おやすみなさい。