発売日

syrup16gのアルバムの発売日。
昨日が店着で昨日のうちにずいぶん売れたらしいって、さっき聞いた。
あぁ、みんな待ってたんだなぁと思う。
足りなくなるお店もあるんだろうか。
こういう時、CDはいいなと思う。CDはいいな、どんなに足りなくなっても、その分を大至急作ればすむ。
コンサートはそうはいかない。武道館のライブに向けての若林さんの熱意に頭が下がる。VINTAGE ROCK STAFF BLOG
おっと、CDの発売日が待たれてた話だった。
僕も待ってた。音は前もって聞いていたけど、やっぱ待ってた。
どんな風に迎えられるのか、どんな風に広がってくのかとても楽しみにしてた。
それと、ネタばらし風でなく、やっと普通に感想を言えるのが嬉しい。

誰でも知ってることだろうけど、一枚目のアルバムのタイトルは「COPY」。
そしてこのラストアルバムの1曲目で、「結局俺はニセモノだった」と叫ばれたら、
この全く変わらない根っこは、ネガティブとかポジティブとかの表層の分類を超えた、業のような本質なんだなと思う。
誰にでもあるとは言わないけど、現在に生を受けてる事に対する違和感は多かれ少なかれほとんどの人が抱えているのではないだろうか。それをごく普通の言葉で、でも使い方が異様に鋭い角度で、ポーンとさらりとむき身で投げ出されたら、
あまりに強烈すぎて、物も言えなくなるか、聞かなかった事にして素通りするしかない。syrupはそんなバンドだったと思うし、
このラストアルバムは、その感じが際立ってる。
こんなにポップで、美しいメロディなんだけど、緊張感が張りつめてる。あまりに迫ってくるので、ちょと胸が苦しくなる。

実は僕はシロップのアルバムではMouth To Mouseが一番好きだった。
そりゃ自分たちで手がけたCOPYもdelayedeadも大きな思い入れも意味もあるけど、やっぱマウスが好きだった。
こんなクオリティのアルバムどこにあると、ずっと思ってた。
ラストアルバムがそれを超えてしまったと、僕は思ってる。
解散間近に、枯れた姿でボロボロでなんとか一枚作るでなく、
こんな異常なクオリティで、最後の一枚を作るのって、
奇跡に近いんでないだろうか。その一点だけでも、体中の体液がこぼれそうだ。

曲で一番好きなのはヘルプレス。ニセモノもさくらも、ヒーローもラファータも、そりゃ挙げていったら全部になっちゃうけど、
ヘルプレス。
あ、別に同じ意見でなくてもいいです。
沢山の人に受け入れられるアルバムは、沢山の人がそれぞれの聞き方して、それぞれ違ったベストワン感じてるものだと思うから。

意識してかしないでか、このアルバムはシロップが解散してしまう事と、ビタッとリンクしてしまってる。
合いすぎるぐらいに、シロップの物語とこのアルバムの物語が合ってしまってる。
聞くたびにそう思う。
このアルバムはこの後ずっと聞いていかれると思う。ずっと残っていくべき一枚だと思う。
10年後や20年後に始めて出会う人もいると思うんだけど、
今、シロップの事を知っている僕らは、リアルタイムにこれを受けとれる。
それはひとつ、とっても幸せな事なのではないかと、そんな風に考える。
ありがとう。
あとは武道館のライブ残すだけか。そうか。あまり言うべき言葉がないといいながら、話しだすと止まらない。
Syrup16g