BUDOKAN OR DIE!!!!

14日は武道館。
ポリシックス
なんだか二、三日、ぼーっとしちゃったなあ。

いろんなライブを見て来て、いろんな『最高!』を味わったけど、この日の最高!はまた違った、格別な、最高!だったなあ。
誰かのライブで、例えば「今死んでもいい」と思える瞬間も過去にはあったし、「もうどうなってもいい」とか思う時間もあったけど、
この日の武道館で一番思ったのは
「こんなライブ、また見たいよー」って事だった。
今日もらった元気を無駄に消耗したくない、ますます元気になって
またいい顔してここにいるみんなで会いたいよって、
そう思わせるライブだった。
晴れやかで、楽しくて、笑顔に満ちたライブだった。
実際ね、記念行事でもあるし、ふだんポリとかロックとか触れない人たちも、見に行ったと思うんだ。
ウチの経理の人とかさ、メンバーの親戚の方々とか、
でもみんな一様に「楽しかった」って言ってたもんなあ。
あの空気に触れたら、なんも関係ない。初見でも、仮にロック嫌いでも、なんも関係ない。
そういう事なんだと思う。


迷いに迷って、リハは一回も行かなかったんだ。
演出にも、曲順にも新鮮な気持ちで出会いたいと思って。
それは全然不正解。
だって、そこには、いつものポリシックスが立ってるだけだったから。
それね、ほんとのほんとにスゴい事だと思うんだ。
武道館でやってることと、京都のタクタクでやってること、アクロンやNYのライブハウスでやってること、日本のフェスでやってること、
全く違わないんだよ。
だからね、リハ見にいったって、いかなくたって、そんなもん、いつもの通りなんだから、関係ないって。
僕らは、武道館であんなスゴいステージみて、あんなに祝祭感溢れる会場全体の空気にふれて、感動したけど、
実は、それは今までのポリシックスがずーっとやってきた事で、
なにも特別な事ではなかったんだよ。
日本中、世界中何処のライブハウスでも同じクオリティでやって来てたんだなって、
武道館だって、もはや彼らには全然特別なことでもないんだなって、気付いて、
僕は、そこが一番スゴいとこだと思います。
まさににアブソリュートだし、世界最高のライブバンドの証だと思います。


外枠の事でいえば、
メジャーデビュー10周年で、カヨちゃん卒業という
大きな区切りのタイミングで、
僕らは最高の舞台を用意したいと思って、
極東でニューウェイブを鳴らすバンドとしては、武道館以外ないってかなり勝手に思い込んだ。
あからさまに言ってしまえば、
半分くらいしか埋まってなくても、とにかくやるんだなんて思ってた。
いままで大変にお世話になった方々が、さらにまたさまざま協力してくれた結果、
即完した。
それはとっても素晴らしい事だと思った。
なんかね、そんな時にみんな立ち上がりたくなる、人肌ぬごうって気にさせるバンドなんだ。

そして、どんなにイベンターや媒体の人が頑張ってみても、
肝心のお客さんが動かないことには話になんない。
僕らが想像していた以上に、期待してくれて、
そして、当日もあんなに盛り上げて、全身で楽しんでくれた皆さんにはひたすら感謝です。
「海外いろいろ回ってみたけど、日本のお客さんが一番クレージーだ」とハヤシくんはインタビューで何回も言って来たけど、
それが、武道館でも実証されたと思う。
だから、「Shout Aloud!」は感慨深かったなあ。
でも、本当は、日本のお客さんでなくて、ポリのお客さんが、なんだって事は、その日その場にした人がみんな感じた事だと思う。
だって、あんな光景見た事ないよ。



一番感動したのは
やっぱ頭かなあ。
電飾にPの文字が浮かんだ瞬間、あんなに歓声が上がるって、
ここまで、彼らが積み上げてきたものの大きさをひしひしと感じる瞬間だった。

あれ、逆光だったから分かりにくかったかも知んないけど、
LEDのでかいパネルが移動したじゃない。
せっせと人が押してるんだよ。ツナギ着た人が。
電子機器と人力が一つのステージを作ってくって、
ポリにとって象徴的な演出だなあーって、舞台スタッフの愛情とアイディアにも胸うたれましたよ。
あとね、最後のブギー。
カヨちゃんがキーボードころころ自分で転がしてくとこ。
あれもね、すごい良かった。


ポリシックスはずっと、どこにも属さない存在だったけど、
その姿勢は全く変わらぬままに、
あんなに沢山の人に受け入れられるバンドになった。
ちょっと大げさに言うけど
異端が王道になった瞬間を僕らは目撃したと思う。

ハヤシくん、フミちゃん、ヤノありがとう、とてもいいもの見せてもらった。生涯の記憶に残るライブだった。
カヨちゃんお疲れさま。
この12年あまりも、武道館もすごく楽しませてもらったよ。
またね。