昨日のつづきでなくてチーの一大事

今、自分は何をやってるんだろうか、などと思うのはまぁ贅沢な事ではある。
そんな事を考える余裕があるって事でもある。
なんも考える時間なく必死にその時その時を生きるしかないって人も大勢いる。
そんな事を考えてたら、
なんとまぁ、ウチの上の娘、チーちゃんが、
お友達一杯部屋に呼び込みすぎて、フィーバーしすぎて、
勉強椅子から飛び降りたら、腕が動かなくなっちゃった。
「ありえない角度」ではないが「普通はない角度」に腕が曲がってて、大泣きしてるので、すわ一大事。
結局ご近所さんの協力を得て、救急車で病院に。
救急車に同乗して思ったけど、なかなか世の中捨てたもんじゃない。
実は昨日の朝方に、家のまん前に古ぼけたカラーテレビと文庫本三冊、無造作に捨てられたの見て、
そのまえからコンビニの弁当くずとかポイポイ捨てられてるのを見て、
ヤな世の中だなあなんて、くさくさしてたんだけど、
救急車通ると、当たり前のように通してくれる。
思いっきり対向車線に突っ込んでるんだけど、向こうの車が歩道に乗り上げたり、路地にケツ突っ込んで待ってくれてたり、
これって、当たり前の事なのかなぁ、僕にはその協力っぷりが、すんごいいいモン見たっつーか、人情ってまだまだあんなぁと思った。
そんな風に感じたのは、一つには救急隊員の姿勢にも感動したからなんだと思うんだけど、
非常にテキパキと迅速に処置しながら、小さい子供への配慮に満ちた丁寧で優しい仕事っぷりが、ああいいなあと思った。
自分の仕事に誇りを持ってて、使命感もってて、スキルあって、そういう人がプロって呼べるんだなあと、ほんと思った。


病院についたら、結構早く結果が分かって、肘の上を骨折してた。
「ギブスだけだとずれるから手術ですね」
手術って聞いただけで、なんとも胸の底の方がゾワーンと硬くなってくる。
「お子さんなので全身麻酔です」
全身麻酔って聞いて、更にズワーンと息苦しい。
よくよく聞いてみれば、手術といってもどこか開くわけでなく、細いワイヤー2本いれて固定するだけなんだけど、
麻酔もまぁ、仕方ない事なんだけど、
それでも最初は衝撃受ける。


この救急病院では、腕の骨折なら軽いランクの病人だから、「お父さん心配しなくて大丈夫ですよ」って空気が流れてる。
どこなんだここは。
そわそわしてもしょうがないので、ぼんやりしたり、文庫読んだりするけどやっぱりそわそわする。
出がけに母親から保険証を預かったんで、病院の受付に渡したら、それはチーのではなく妹の方の保険証だった。違うじゃん。
なんでウチの娘はこの病院では妹の名前で呼ばれてるのか、しばらく不思議だったんだ。
ママもそわそわしてたのね。


突然、全く余裕のない一日。全く考える余裕のない一日。
これはどんなメッセージ、どんな符合。意味あんのかないのか。考えは後。
とにかく本人の方が大事。
そりゃそうだよ。


手術もスグに終わって、麻酔から醒めて、
「水飲みたーい」って言うけど、術後に水はダメなんで、ものすごく小さい氷をなめさして、
「こんなんでゴメンねー、明日は麦茶飲めるからねーって」だましだまし。氷がねホント小さくて申し訳なくて涙出そうになる。
そんなこんなするウチに熟睡した。
完全介護の子供病棟。
僕の寝るとこないのでソロリソロリと帰る。
また明日。
彼女にとってドデカい事件な一日だったと思う。お疲れ様。
水曜にはもう退院出来るそな、あぁそんなぐらいで良かったね。ない方がいい事故だけど、でもそこですんで良かった。