クロ

daimas2006-10-05

(長文注意。しかも猫の話)
うちの猫はクロ。
黒いからクロ。
結構由緒ただしい雑種。
8年ほど前にいろいろ苦労して貰ってきた捨て猫
黒い猫を飼いたいと思って、ほうぼうさがして一時はパソコン通信(古いね)の掲示板をさがしまわったり。
アパートでこっそり飼ってた猫が見つかりそうになって来たんでゆずりますってな、書き込みに飛びついて、もらい受ける約束したら、
当日になって、先方の飼い主がボロボロ泣いて、「やっぱり離れられないので、自分で育てます」って電話きて、
期待して待ってた僕らはガッカリ、放心、やや怒り気味。
そんな事もあった。
クロと巡りあったのは、地域新聞のペット里親募集コーナー。
とりあえず電話してみたら、超々猫好きのおばさまで、田園調布に住んでた。
とりあえず来いって言われたので言ってみると豪邸で、やたら猫がいる。
捨て猫でももらい猫でも、片っ端から育ててる方で、
地元でも猫好きで有名。知れ渡りすぎて
よその家の人が塀越しにどんどん猫を捨てに来るんだって。
沢山集まって、沢山里子に出す。
そんな子猫の中の一匹がクロだった。
クロって名前はあとからつけた。その家ではオメガってよばれてた。生まれてすぐに捨てられて、その時は生後4ヶ月。ちっちゃくて華奢で、ほんと可愛かったんだ。
捨て猫三兄弟で、上から順にアルファ、ベータ、オメガ。
後でちゃんとした飼い主見つけて、その人に正式な名前つけてもらおうって、そんな配慮でそんな記号っぽい名前なんだって。
僕ら夫婦は田園調布のその家で、オメガに一目惚れした。
ぜひもらい受けたいですって言ったら、実は面接三番目。
先に二組いて、三組目なんだって。
なーんだ、そんなら先に言ってくれればいいじゃん、寂しくなって家路についた。
そしたら一週間後に電話があって、前の二組は落とされたそうな。
一組目の人はおばあちゃんで、「猫の寿命より先にあんたが先に死んだらどうすんの」って理由で落とされたらしい。
二組目は先住猫がいる家で、「オメガは気弱だから、先に住んでる猫にいじめられたらどうしよう」て事らしい。
なんと厳しい基準なんだろ。
おかげで僕らに順番が廻ってきた。他に猫は飼ってないし、まだまだ僕ら寿命はありそうな歳だったもんね。
それでスンナリ行くわけでもなく、こんどはウチを見に来るっていう。
どんな環境でオメガが育てられるのか、とくと拝見ってな具合。
ここまで来ると、すげえなって呆れるやら関心するやら。
でも僕らは、オメガに来て貰いたくて来て貰いたくて仕方ないので、なんでも言うこと聞く。
初めてオメガが来た時は嬉しかったなあ。
そしてその日からクロになった。


その後僕らに第一子が授かって、二、三年たったころ、
どうも娘が咳をする。
咳が全く止まらなくなって、呼吸もままならない夜が何回か。
救急病院の常連になった。
原因をさぐるとアレルギー性ぜんそく
アレルギーの元はなんだと、いくつかの候補があがって、
原因と目される第一グループの筆頭に「猫」。
猫アレルギーの疑いあり。
もちろん他にもハウスダストとか花粉とかダニとか、犯人っぽいのはゾロゾロいるけど、
とにかく可能性のあるものをどんどん除外していかないと、そんな空気が流れてね。
かなり真剣に悩んだよ。
夜中にクロと話あった。
話してくんないけど。
相当キツかったなあ、そのころ。
動物アレルギーがありながら、ペットと暮らしてる人の書いたものとか読みあさって、
いろんな工夫はしてみて、なんとか。
なんとか、今にいたってる。
一緒にいられる方法を試行錯誤しながら見つけたような、子供の成長とともに治まったような。


離れなくて良かったなあとつくづく。
そんなクロももう八歳。
顔見てたら、やけに犬歯がながくて、
猫なのに犬歯とはなんぞやと、しゃれてる場合でもないほど長くなって、病院にいってみた。
難しい事は分かんないけど、歯垢が溜まって細菌が増えて、細菌を押しだそうと思ってる体が、犬歯を異物と勘違いして、犬歯を追い出そうとする症状らしい。
グラグラしてるからもう抜かないとって事になった。
猫の歯を抜くのは結構なオオゴトで、全身麻酔になるんだって。
全身麻酔うたれて、点滴されて。
点滴のために、両腕の毛を一部そられたのがこの写真。
なんだか不憫ね。
無理して口あけられて歯を抜かれたもんだから、喉が圧迫されて、しばらくは小さくてしゃがれた声でないてて、いっそう可愛そう。
はやく元気な声で鳴いてほしいもんだなあ。
ウチに来てから八年。
八歳だもんなあ。
人間で言えば40代って獣医さんは言ってた。
猫の健康には、サイエンスダイエットって言う名前のカリカリの餌がイイって事になってる。
これちょっと高いんだよね。
5年くらい前に、試しにあげてみたら食べなかった。
もっと下世話なジャンクフードっぽい餌が好きみたいだった。
このたび獣医さんに進められて、久しぶりに試してみたら、
なんだ食べるじゃん。
どんな心境の変化があったんだろう。
サイエンスダイエットのシニア用を好んで食べるようになった。
あれかなあ、年取ると肉より魚、野菜に向かうのと同じなのかなあ。
どうなのかホントの事は分かんない。
でも、昔は食べなかったのはホント。
ちょっと腹も出てきた。
丸顔になったね。
どんなでもいいから長生きして欲しい。
なんか家族っぽいんだよ。