焼く

なんだかCDが売れなくてショップは大層困ってるそうな。
そうだろうなあとは思う。
ずっと前に、名古屋のバンドのライブが東京であって、
北海道から来てるひと、四国から来てるひとなんかいて、熱烈だなあと思ってたら、
二人とも、そのバンドのCDは持ってないって言ってた。
CDRで持ってんだって。あらら。焼いてる。
北海道からの飛行機代は出せるけど、CDは買えないのね。
いかん、いかん、なんて言ってる場合でもない。
音楽の仕事をしてる現場でも、落として、焼くって事は頻繁に行われてる。
ちょっとここのニュアンスはビートルズのアレみたいにしたいんだけど。ポリスのファーストの音色じゃだめなの?
なんて会話がレコーディングスタジオでも、リハの現場でも。
その曲を聞いた事ないメンバーはかならずいるんで、さっさと探して、CDR回して。
CD作って商売してる身がそんなことでどうする、
とは思わない。
昔だったら、カセットテープでやってた事だもんなあ。
曲作ったらカセットで回す、参考資料もカセットで回す。そんなに昔の事でもない。
それが今はCDRになっただけ。
劣化しないのは大きな違いだけど。
いい悪いでなくて、そんな時代になったのは確かなんで、泣き言いってる場合でもない。
ショップもレコード会社もミュージシャンも、プロダクションも、とにかくみんな発想の転換が必要な時分。
激動の時代なんで、この際、いろんな矛盾や問題点も解消されるといいなと思う。
チマチマ改善しようとしても出来ない事ってあるもんね。
まず一回壊すと、新しいもん作りやすかったり。
「サザンのCDと今日デビューの新人のCDの値段が同じって、ほんとにいいの」とかね。まぁなんかいろいろと疑問に思うとこはあるんですよ、「CDの値引きっていいの、ダメなのどっちなの」とか。
もっと疑問はあったんだけど、夜中なので思い出せない。
僕としては『ブツ』は好きなんでCDが無くなる事は考えてないんだけど、バランスが変わって来ることだけは確かだなあ。
そして、音楽はなくなんないね。
それも確か。
いろんな楽しみ方があるけど、音楽が発祥した時からあった楽しみ方は、
最も古くて、最も重要な楽しみ方は、生演奏。
そりゃ太古の昔から。きっと超未来でも。
それが有る限り、僕らはきっと大丈夫。
それを受け取れる僕らは大丈夫。
そんなワケで明日はアックスに。