レコーディング

僕はレコーディングにはあまりいかない。
レコード会社の人なのにあまりいかない。
別にえらそうにしてる訳でもない。
簡単に言えば役に立たないから。
カレー屋で例えると(なんで)
僕はうまいカレーを作る方法をあまり知らない。
名人は、ダシの素材や、材料の下ごしらえや、微妙な配合や、秘伝のレシピやなんやらかんやら、
無数のアイディアとテクニックと感性を鍛える。そこには日頃の修練も意地も、生き方さえも投影されてる。
そこは、その道のプロの領分だなぁと思う。
今までどこでも修行してこなかった僕が、イキナリ厨房に入っても、
多分新人の皿洗いの人にも邪魔にされるだろう。「そこどいて下さい」なんて。
どきますよ。厨房には入んないよ。
しかしながら僕はカレー業界にいる。
今さら、下働きから始めて、あるいは自己流の勉強で、とんでもなくウマいカレー作れる人にはなんないだろうな。
であれば、そこにはもうトライしない事にしよう。
プロセスに関わる事って、すんごく楽しいんだけど、それは諦めよう。
出来上がったカレーをちゃんと味わって、とにかくウマいかマズイか、判断出来る人になろうと思ってる。
味覚の事だから、自分の好き嫌いが入るのは当然。
でも、うまいのかどうなのか、自分なりのジャッジを持ち続ける事には真剣でありたい。
その後で、そのカレーがどうやったらいろんな人の口に運ばれるようになるか、考えて実現する人になろう。
そんな、あり方でカレー業界に残ろうと思ってるんだよ。
それはそれで必ず必要な仕事だと思う。
だからそこで一生懸命やる。そこでイイ仕事する。なんて思ってる。
たとえ、変だった?大丈夫?