BEYONDS

いろいろと考えなくては行けない事、大きなテーマ、小さいテーマいろいろとあり、
なにか釈然としない。
自分が好きな音楽に出会って、一緒に過ごし、いくつかは役に立つ事をしてって、
そんな仕事についた筈なのに、
どうもただそれだけではいけないらしい。
コピーの紙がないとか、事務所の空調がとか、ウォシュレットがいつも『最強』になってるは誰のせいだとか、
世界的な音楽業界の潮流とか、第三世代のビジネスモデルとか、
いやぁ、ほんとに考える事って多いんだなぁ。
もっとシンプルにはいかないもんだろうか。
もしかして、よその人からみたら充分にシンプルなのかも、もっと複雑な課題をスイスイとこなしてる大人も多いのかもと思ったり。


そんな日にビヨンズのレコ発がシェルターであって、
あれまぁしまった、こんな時って何を見ても上の空で、何やられてもつまんないんだよなぁ、ああしまった、
なんて思ってたら、
そんな事はなく、
頭っからしまいまで、ずーっと興奮して、とんでもなく楽しめた。
そうだ、忘れてた。音楽ってそうやって、ダイレクトに体と気持ちの中に入っていって、
なにもかも変えてくれるから好きだったんだ。
変えて、変えっぱなしの時もあり、変えたのはその時だけの事でその後はなんにも変わってないって事もあるけど、
でも、確かにその時間はいろんな事が変えられてた。そんな体験が一杯あった。
ああ、今日もそうだったんだと思った。
どうして、今日はそうなるって予感を持たなかったんだろう。
なんだか誰かに悪い事したような気がした。


ビヨンズはビヨンズになった。
復活とか再始動とか関係なく、
アヒトくんとテッキン、新しく入った二人と、谷口岡崎の境界が完全に消えて、
一個のバンドになった。
十数年前のアルバムの曲も今月発売のアルバムに収められてる新しい曲たちも、
同じステージで演奏される事に全く違和感がなかった。
むしろ、どっちもやる事がビヨンズに大きな幅を与えて、グルーブを一層強いうねりにしてたと思う。
いつだって異端でハードコアで、こんなに変態チックなのに、
どうしてこんなにポジティブな感情を引き起こせるんだろう。感動的ですらあった。


とかなんとか、外野の賞賛をよそに、
「ようやくここまで来た。でももっと行ける」とつぶやきながらオヤジ飲みするテッキンが頼もしかった。