大阪 シロップ
syrup16gのツアーが始まった。
3本だけど、ツアーの初日なので行ってみた。
924に続いて3ピース。
ステージに出てきた時は、
広いハッチのステージに立つ3人はなにやら寂寥感を負ってるような気も、
大変失礼ながら、五十嵐くんはなんだか老けたような、生命力が減少してるような、そんな風には見えたけど、
よくよく考えてみれば、
それはいつもの事だったような気がする。
ニューアルバムに収録されそうな、
なつかしい新曲たちもふんだんに演奏されて、おっやる気だなと思う。
前半は静かに静かに空気を練っていくような手触りがある。
その時間も好きだ。
そして後半のどこかで、スイッチが入って、それまで練られてた空気の中でしか起こりえないカタルシスが。
ああ、これがシロップなんだと思う。
冬の日、枯れたように見える枝を手にとってみると、
表の皮だけパラリと落ちて、中から青々とした生命力溢れる幹が出て来たことがある。
そういう事なんだなと思った。ステージに登場した瞬間だけの印象では、さっぱり計れないバンドだった。忘れてた。
やる気マンマンで耳元でガナるヤツよりも、無気力そうにしててもホントの事しかいわないヤツの方が、一緒にいて安心する。
シロップには安心しないけど。
油断して聞いてると、言葉が刺さりすぎる。
「ニューアルバム」ってさっき書いたけど、
未だニューアルバムとしか言えない。
気を持たせたり秘密にしてるわけでなく、まだタイトルが決まってないからだと思う。
胸を張って言うことでもないので、小声で言いたいのだが、レコーディングも終了してないみたいだ。
どんなに時間かかっても、最後に「あぁ」としか言えないようなものを持ってくる。
タイトルでもライブでも、きっとCDでもそうなんだろうと思う。
ニューアルバムの事でも、その以前の事でも、シロップをとりまく情報が極端に少ない事を不満に思ってる人も多いとは思うんだけど、
それも、隠したりもったいぶったりしてる訳ではなく、情報として伝えるべきことが極端に少なかったから、それだけだと思う。
「アルバムはまだ作ってません」そんな発表をする場所もタイミングもないと思う。
ライブは年に数回。ライブとしての情報は出る。
ライブ会場の張り紙で次回ライブを告知するというやり方がここのところ続いて、不満を持ってる方も多いと聞く。
でもたくらみとか作戦て事とはちょと違う気がする。
その日ライブに来た人たちに一番早く次回ライブの事を伝える、目の前の人に伝えるってことを
かなり不器用なやり方でやってるに過ぎない、そんな気がしてるんだけど。
詳細は後日チケット情報がのるメディアに出るので、行ってない人にも不利はない筈だしなぁと思う。
シロップについては身内の気分だけど、僕らが完全にインナーってわけではない。
僕がここで書くときに、身内としての物言いも多いけど、伝聞ぽい他人事みたいな言い方も多い。正確さを追求するとそうなってしまう。
職種とか所属会社みたいな事だけで説明するのは難しいけど、シロップと僕らのレーベルの関係は『実家』に似てる。
実家で生まれて、どっか行って、
最近はちょこちょこ帰ってきてるけど、彼の家はここじゃない。
でも離れてもない。
なんかそんな感じ。
ニューアルバムの共同原盤もそんな気持ちから。
大阪のライブの話からずれた。
シロップはシロップらしかった。
いつもよりヤル気なさそうな顔して、実はかなりやる気だった。
本編の最後の方はあんまり左足が床に突いてなかった。
ところで、この日も思ったけど
「オレはニセモノ」だった と叫べるボーカリストは五十嵐くん以外に誰がいるんだろうか。
あのテンションで、あの必死さで叫べる人は、今でも過去でも、日本でも世界でも、どこにいるんだろうかと
それだけで、もういいやと思ったりもした。
次はNHKホール。(えーと自分的に