POLYSICS マイアミ

daimas2007-11-10

一夜あけてマイアミへ。
結局昨日の部屋飲みは3時頃まで続いたような気がする。4時だったかもしんない。
メンバーは車で。
乗って乗れない事もないけど、狭くするのも申し訳ないので、僕らは飛行機で。
車で3時間。飛行機だと1時間。でも空港までの道のりとか、搭乗手続きとかを計算にいれると、所要時間では断然、車に軍配があがる。
そんなこと理屈では分かってるけど、実感するのは始めてだ、勉強になるなぁ。

マイアミついた。

ここはどういうところなんだろう。
11月だけど暖かい。気候的には沖縄みたいなとこだといいたいけど、湿気が多い。
それからなんだかもっと人工的で下世話なとこもある。
熱海でどうか。いやそれも違う。マイアミはマイアミだ。
空港から着いて、一応ホテルにチェックイン。
一応というのは、今日帰らなくちゃなんないから。しかも夜3時には日本に帰るために出発するスケジュール。
今日はライブ見て、それからご飯でも食べて、ホテル帰って何時なんだろう。きっと3時出発だったら寝てる暇ないなと思う。
ホテルに入ってみると、なんだか内装が昔の丸井のヤング館みたいだった。
その雰囲気分かる人、ご同輩。
つまり真っ黒い家具。時折スチールの銀色。
シャワールームの扉が透明。
そして風呂がない。
なんでないんだろう。どうせ入る暇ないからいいけど。そう思ったけど探してみる。


なんとテラスにジャグジー。なんじゃそりゃ。頼んでないぞ。
せっかくなんでお湯ためてみる。


うーん、僕はこれに入るんだろうか。向こうのビルから丸見えだ。
結局、リハがそろそろ始まりそうな時間になったので、入らずにホテルを出る。
そして夜に荷物とりに帰った時も、時間がなくて入らずじまいだった。
このホテルですっかりマイアミの印象が決まってしまったんだけど、
きっと誤解ね、マイアミ人の方すみません。きっとそのホテルだけの事なんだろうけど。
でも、僕のマイアミはその印象だった。

ライブハウスに行く途中、少しだけ遠回りしてビーチを通る。


砂が真っ白で、ゴミが全然落ちてなくて、人々がやたらのんびりしてて、
いいビーチだった。こんなとこ1日いても全然仕方ない。一週間くらいとってゆったりする場所なんだろうなと思った。僕には無理だなぁ。
その遠回りの5分だけが、マイアミの海体験。

今日のベニューはフィルモア
役に立たない豆知識としてはベニューって言葉よく使う。会場くらいの意味なんだと勝手に理解する。
ファイルモアも広い。

いつもの事ながら写真が分かりにくくて恐縮なんだけど、これはステージから空の客席みたところ。
一階フロア前方にスタンディングスペースがあり、優に1000人は入りそう。
その後ろに映画館みたいな椅子がならぶ。そして椅子席は二階席もあり、さらに3階席もある。
ロビーや廊下の広さといい、二階三階に行くためにエスカレーターがイチイチついてるとこといい、
これを日本の感覚でライブハウスと言っていいのかどうか迷う。たぶん違うと思う。
ちなみにシャンデリアもごろごろ。
翌日の出演者はモリッシーだった。ここでモリッシー、うーんみたい。そう思わせる雰囲気。


ここのスタッフは若者もいるけどそうでもない人が一杯いる。
場内整理をしてるのが、厳しい顔したお婆ちゃんだった。
客席と楽屋をつなぐ通路にお爺ちゃんが座ってて、門番。
楽屋に行くためにパスを見せると、老眼鏡をかけ直してじっくりじっくり見てから
「オ ー ル エ リ ア。 ン ー ン ー 、、、、 サ ン キ ュ ー」ゆっくりと、か細い声で言ってくれる。
昔からここで働いてるんだろうなと思う。由緒ただしい、歴史あるってことはいいことだ。
きっとそうして、沢山の人の働き場所を提供してきたんだろうと思う。



リハがつつがなく終了すると今日ももちろん物販の準備。
「あ。今日はカウンターがいるんだ」とフミちゃん。
豆知識その2。こっちのベニューでは物販の数だけ数える職業がある。
バンドが持ち込んだTシャツなどの数量をメモして、ライブが終了した時点での数もまた数える。
差し引きの数量が今日売れた数。
その金額から会場の取り分を徴収する仕事だ。それすげえな。
会場側が手数料を徴収するシステムは日本にもあるけど、売り上げの10%ぐらいで、だいたいが自己申告制、そんなにシビアではない。
会場がカウンターを雇ってるってスゴい。その手数料で人間が何人か雇えるんだ。
手数料も高いんだけどね。
Tシャツ一枚売って30%とかざらにあるらしい。20%なら安いほうだった。それも驚いた。
Tシャツの値段の30%が会場の手数料だよ。これすごいよね。
でもそれでなりたってるんだな。そういう事なんだなぁ。


ライブの本番は、やっぱりポリは熱かった。
そしてエンタティメントだった。
ハヤシくんが「ウィーアー ポリシックス フロム トーキョー ジャパーーーン」とカタカナで叫ぶ時、
アメリカのどの都市でも、世界中のどの街でも、そこはポリシックスのステージになる。
どこの観客でも、反応は同じ。
登場した瞬間に分かるコスチュームとハイテンションぶりに驚いて、興奮して、
すぐその後で、クオリティの高さと世界標準の「楽しさ」にまた驚く。
何度でも言うけど、
世界を見渡しても、
あんなにテンション高くて、
そして、しっかりクオリティ保って、しかも暴れてるバンドなんて、他にいない。
それはどこ国のオーディエンスもびっくりする。
どこでも通用する普遍性と、ドコの誰とも同じでない独特さ、オリジナリティーつーか、
どこにも向かってないフロンティアスピリットは
僕ら日本人が感じてる事と、アメリカの人が感じてる事、ほとんど一緒のツボ、同じとこ。
ほんと、そう思った。
だからこそ、まだまだ。こんなもんじゃない。
どうせやるならヘッドライナーで全米回るくらいじゃなくちゃ。
マイアミでモリッシー、いいじゃない。マイアミでポリシックスもっといいじゃない。そう言われるくらいになるといい。
ワールドワイドなレジェンド、なるかもね。
そんな可能性を、そんな芽をしっかり確かにはらんでるポリシックスは、必ずそうなるべきだ。
ほんと、そう。そうなんだから。
ほっといてもなるかもしんないけど、みんなに、いろんな人みんなに、今画面に向かってるあなたにも、想いと力を貸して欲しいと思ったよ。


全バンドのアクトが終わって10時半。
メンバーは次の目的地ヒューストンへ。
アメリカではライブやって、泊まらずに移動は当たり前だけど、
今夜からのドライブは20時間オーバーだ。クラクラする。
過酷だね。
それでも彼は、まだツアーは終わってないのにリーダーは
「また、アメリカ来たい」という。いつこれるかな、早く来たいと言う。
どんなに体力的にはキツいことがあっても、ハヤシくんは常に前向きだ。
「今回のツアーで回ったとこにまたスグに来たい、次はもっともっといいライブやる。」そう言った。
いつでも最高の事をやりながら絶対に満腹しない。いつでもハングリー。
常にもっと先にあるものを目指すハヤシくんを、夢見るリーダーと見てもいい、永遠に大志いだく少年って言ってもいい。なんだっていい。
でも、一生の間見てる夢だったら、それはきっとその人にとっての現実だ。
そして、現実を夢にひっくりがえす事が出来る可能性が、山ほどある。
ね、
ポリシックスの夢とまわりのスタッフの夢と、そしてなにより応援してくれる人の夢と、
必ず重なる瞬間があって、それがホントに重なったら、それはもう夢でなくなるって、そう思った。心から思った。
誰もが叶えられる夢じゃないけど、彼らは確かに、そこの階段に足を掛けてる、いや登り始めてる。それはもう何段目?
いやいや、全貌は後からでないと分かんないんだ。達成してからでないと、どこが何段目なのかは分かんない。そういう階段なんだ。
だから、ポリは一緒に階段を上ってくれる人、後押ししてくれる人、いつでも待ってます。だれでも仲間です。
そんな意味をこめて、
こっから先もよろしくお願いいたします。
ほんと。