床屋

ちょびちょびと聞こえてくるオシム語録に引き寄せられて、とりあえずアマゾンで『オシムの言葉』を注文してみた日曜日が昨日。
オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える
たまにはいいな、こんな休日。家の用事をいろいろと済ませる。
去年は収穫出来なかったひょうたんを今年こそと思ってたんだけど、どこの花屋にもすでに苗はなく、
最後の一件で、今頃来てもないよとかなり怒られつつ、ゴーヤと朝顔を購入。ま、ツルものならいいか。
買いに来るならゴールデンウィークまでだろうと、もっともなお言葉。
ゴーヤと朝顔を植える。


時間が余ったので床屋へ。
別にそんなに伸びてないんだけど、モミアゲの左右の長さが違いすぎるのが気になった。
多分髭を剃る時に、知らず知らずモミアゲも剃っちゃってるんだろう。
床屋でも美容院でもいいけど、どこにいこうかな。
僕が上京したのはモッズのデビューよりは早い、上京してからの年月は綾小路きみまろの潜伏期間よりは短い。
田舎にいたころは床屋が決まってた。
小学校はずっと近所の佐々木理容店。髪切ってくれるのは佐々木さんというお母さんで、なんか安心できたんだ。
中学校の3年生くらいになって、佐々木さんの娘が同じ中学に1年生として入った事を知った。
見れば見るほど『床屋の娘』みたいな、色白のスキッとした女の子で、
多感な中学生の僕としては、同じ中学校に通う佐々木さんのお母さんに髪切って貰ってるのが、
気恥ずかしくなって、その後『理容山田』に鞍替えしてしまった。
高校の時はずっとそこ。
別に理由もこだわりもない。カットが気に入ってるからとかさらさらない。近かったもんで。
さて、東京に来てからも、特にこだわりなく、その時その時で近所のとこに。
最近はもっとこだわりない。
どこでもいいなら安い方って事で、平日980円のとこにいってる。
実は値段にさえこだわりないので、980円のとこが混んでいた前回は、
もすこしカッコつけてる風な美容室にいってみた。
カットが4500円だった。
帰ってきて見るとサッパリ違いは分からない。なんだどっちも同じなのか。
周囲も意見もそんな感じだったので、今回は980円に逆戻り。
平日でないので、1500円。
シャンプーしないので15分かからないんだけど、混んでたので、40分ほど待つ。
月遅れの女性自身を二冊も読んでしまった。
切って貰ってるときってどうしてもウトウトしてしまう。
切ってる人には迷惑だろうなあ。
でも退屈なんだもん。ここちよい退屈。店内の温度もちょうどいい。15分でもウトウト。
「これでいかがですか」と声が掛かる。終わったのか。
ああ、なんとなく切ったのね、少しさっぱりした。別にそんなこだわりないんでメガネもかけず大ざっぱに確認して、
いいですよって言いそうになったけど、むむ、これは。
かんじんの、動機となったモミアゲが左右不揃いのママでないか。
「あのーモミアゲ揃えて欲しいんですが」
「あらあら、どうしちゃったのこれ」どうしちゃったじゃないでしょよ、気付いてよと思う。
アシンメトリーって流行ってるからね、モミアゲもアシンメトリーでどう」と言われるけど、そりゃ違うだろう。
豪快なオバチャンだったのね、あなた。
そんな事思うんだけど、あれね。
明らかにオバチャンだと思う人が、多分自分より年下って見て取れる時があって、
僕もそんな歳になっちゃったんだなあと嘆息。
そんな寄り道してもしょうがない。とにかくモミアゲは揃えて貰う。
家に帰ってみると、誰一人、僕が床屋に行った事に気づいてないような気配。
いや、いいよ、そんなに短くしてないから。別にいいよ。
僕が気づいてるから大丈夫。