カレーを

作ってみた。
連休なので作ってみた。
こんなことすんの何年ぶりだろう。
ま、バーモントカレーとかゴールデンカレーとか、そんな類のカレーだけど。
非常にぞんざいに玉ねぎを切って、不揃いに人参切って、ジャガイモは少々皮を残しても気にしない。
しかし、あのなんですな、手慣れてない僕はパッケージの裏に書いてあるレシピと首っ引きなんだけど、
あの分量ってホント?
書いてあるとおりに作ると10人前の筈なんだけど、絶対10人前より少ないと思う事たびたび。
そんな疑問にはおかまいなく、調理は順調に進む。
ルーを割り入れるまでは順調。

ルーを入れる時は一旦火を止めろと書いてある。
なんでだろう。とろ火では駄目なのかな。
いちいち考えててもしょうがないので、火を止めてルーを溶かす。
最近のルーって結構すんなり溶けるのね。ちょっと驚いた。
10分煮ろと書いてあるので、10分煮る。
とっても素直にしてたのに、カレーがさらさらなのよ。さらさら。
うーん、これはどうしよかなあ。
分類的には薄いカレー。どうしようもないって程ではないけど、薄い。
あんなに素直にしてたのになあと思う。
どうかしてもっと粘りのあるカレーに今からできないもんだろか。
時間をかけて煮込むんだろかと思ったけど、実は今日は出かけなければいけないのでデッドラインは迫ってる。
連休つっても昼に会社いかないだけで、夜はライブいったりすんのよと、アピール。誰に。
カレーに話は戻って、どうしよか。
コクのあるカレーにするには一晩寝かせる。それが出来ない時は一旦冷やすだけでも同じ効果がある、そんな話はテレビでよくみた。
コクを求めてる訳ではないけど、一旦冷やしてみたらどうだろう。
どうだろうつって、どうにかなる根拠はないけど、なんにもやんないよりマシだ。ジタバタするのがポジティブでないか、なんて考える。
鍋に水かけてみる。最初は鍋の側面に万遍なく水をかけてたんだけど、どうもまだるっこしい。
蓋の上からザーッと流水を2分ほど。
ほどよく冷えた気がしたので、もう一回暖めて、蓋をとってみたら。驚いた。
なんと、
「薄いカレー」だったものが「水のような何か」に変化してる。
一体これはどうした事だ。
10人前と言われてた分量が推定20人前に増量してる。なんだこりゃ。
アレだアレ、
うーんそうか残念。
思いあたる。
鍋の上からかけた水が、どんどん鍋に侵入してたのね。水が増えてたのね。ひたすら薄まっていったのね。
分かったところでどうしようもない。
あいにく、最後の手段の片栗粉も切れてるようだ。
ここまでの過程は一切誰にも相談せず、ただ一人で「少し薄い」とか「冷やしてみよか」とか「水っぽさ無限大」とか、心の中にしまいこんで、極秘に進めてきた。
今更なあ、なんか言いにくいよね。
家族4人で同じ部屋にいようとも、キャッキャ、キャッキャとうるさ過ぎる部屋にいても、孤独だった。
失敗は早めにオープンにしたほうが傷が小さいという教訓を噛み締める、連休の団らん5分前。
出来たものは仕方ないので、テーブルに出す。
水のようだけど出す。
自分で食べてみるけど、あんましウマくない。
自分で作ったのってウマいんだけどね、これはウマくない。味がしない。
明らかに、薄いカレーの方がよかったな。
とにかく、蓋の構造はよく確認するべきだと、水をかける前に確認すべきだと、アフターザフェスティバル。
いや違う、それじゃ祭りの後だ。なんのこっちゃ。