ミスとマジック

うちんとこのバンドが出てる雑誌みてショック受ける。
あらま、なんでこんな写真なの。どうしてこんな写真なの。
言い訳はいくらでもある。
集合写真は誰か一人必ず変な顔するんでとか、
時間がなかったとか、
その時は気付かなかったとか、
別にこれでいいじゃんとか、
だってこの人そんな顔とか、
他にいいのなかったんす、これでもましっすとか。
そうなんだよね、理由なんていくらでもある。
でも、僕らはその人がもっといい感じで写ってる写真も何回もみたし、彼らのいい表情は、日常でも接してるし、
よりによって、なんでそんな写真なんだって思いは残る。
残念ながら、そんな事はたまに起こる。
芸能事務所じゃあるまいしって声もあるだろうけど、せっかく写真のるなら、その人の魅力が伝わる写真でないと、載せる意味がない。
インタビューはやればいい、でもそんなら写真なくていんじゃない。
どっかで僕は「カッコいい音だしてる人は、姿もカッコいい」って事を信じてる。あるいは信じようとしてる。
それは決してブロマイド的なカッコよさの話じゃないけど。なんかね、ビデオでも写真でも、ほんとに魅力あるアーティストは、やっぱ写真にもその魅力はでるはずだよって思ってるのよ。
だから、そのバンドに似合わないヘンテコな写真みるとへこむ。
そんな訳ない、もっといい筈、なんでこんななのって。
これがまた、難しい。
雑誌だったら、アーティスト本人、そのスタッフ、雑誌の編集者、それからカメラマンと様々な人が関わる。
いろんな人が関わって、この写真が出て来たんだよね。
全員が全員やる気もなくて、ま、こんなもんでいいでしょって事なら、まだ救われる。
たちの悪い事に、全員が全員、よかれと思って、
全くよくない方向に事が進んで、最悪な写真が選ばれるって事もあるのよ。
まじ、まじ、ほんとにそんな事も起こるのよ。
だからね、どんな仕事でもいえるけど、チームって怖い。
全員が全員、一丸となって間違った方向に進む事って確かにある。
ノリを出すためにはとけ込んで、あるいは引っ張っていかないと、
でも、必ず一方では醒めた目ももたないと。そんな事を改めて思い出した。


そんな事があってから、レコーディング中の一曲のTDを聞きに。
あらまぁ、怖いわねえ。
曲は同じ曲だし、素材は変わってないはずだけど、
出来てるテイクは画期的に違う。
これなあ、なんなんだろう。
あくまで、メンバーが演奏してるテイクだけど、TDを経てここまでに到達するんだ。
驚いてあんぐりした。
スタッフの極みっつうかなんつうか、職人といっても天才といってもいい。
そりゃエンジニアの仕事なんだけど、そのエンジニアに渡すとこまでやるのは別のエンジニアで、
メンバーもスタッフも、ハードディスクを運搬するだけの人も、作業したり段取りしたり、
そのトータルを仕切っていく人もいるわけで、
そういうのはね、総合的なチームワークで芸術だなあと素直に感動する。
これはね、個人の才能だね、でも一人じゃできない事でもあるんだね、いろんなポジションの人がその持ち場で頑張んないと。
エンジニアが曲書くわけでもないし、スタッフが演奏するわけでもないし、メンバーは真ん中よ、それはそう。
でもメンバーだけでなくて、
録音する人も、TDする人も、マスタリングする人も、
レコーディングによっては、アンプの音きめる人が外からきたり、
ドラムのチューニングするために呼ばれてる人も、
一分だけハーモニカ吹いて汗だくで帰る人も。
あっと、だんだん今日の話からはそれて来てるけど、
PLの人文字でも北朝鮮マスゲームでもなく、
多くの人が関わって、なおかつキューッと絞り込んだ一点にフォーカスするって事、確かにあるんだなあと
今日の12時頃思った。


沢山人がいて間違う事もあるし、
沢山人がいて、どんどん絞り込んだ高みに登っていくって事もある。
単純な事でその境目がどっちに振れんのか決まるような。
怖いね。
面白いね。
面白いけど怖いね。


そんな思いをかかえつつ。
大将がいないのをいい事に饒舌なベテランバイトに迎えられながら、ラーメン。
替え玉0,5。
帰宅、就寝。