POTSHOTラスト

またしてもアックスへ。
なんだか通ってる気になる。定期買おうか。
そんな事言ってる場合でもなく、特別な夜。
今夜でPOTSHOTは解散だ。
結成は95年。
僕らの会社とは97年からの付き合い。
僕らと彼らの出会いは、やっぱひとつの奇跡だと思う。
僕らは様々な事を教えられた。
アーティストの持ってる裸のパワーだけでどんだけ世の中に響くのかってトライが出来た。
バンドがやりたい事だけやるって決めてても、スタッフは充分アイディアを出せるし、働く余地はかなりある事を知った。
アンティノックで5バンドでタイバンやってる時も、CDが10万以上売れてる時も、さっぱり変わらない人もいるんだな。
名曲って元はバンドが作るんだけど、結局オーディエンスが作るんだな。
まぁ、いろいろ。もっと沢山、ほんといろいろ教えられた。

POTSHOTと彼らのレーベル・TVフリークが無かったら、僕らの会社は今とは大きく違う道を歩いてると思う。
どこへ行ってたんだろう。
僕らは今歩いてる道がとても好きだ。
だから、POTSHOTにはとても感謝してる。


アックスは一曲目からえらく盛り上がってる。
前半はなんだか歓喜に包まれてるみたいなハッピーな空気があったような気がする。
舞台上も客席も楽しんでやろうって気合い満々。
40曲やっても2時間あまり。
そんなところがポットらしいなぁ。

新しい曲もある、僕らとはまだ出会ってない頃の曲もある。
10年なぁ。
最も初期の曲と最近出来た曲が並ぶと、やっぱ感触は違う。
10年だからなぁ。
POTSHOTは、POTSHOTという名前とコンセプトに誠実なバンドだ。
今日みて思うのは、同じ名前でやり続けるには今日が限界なんだなと静かに思う。
バンドは生きている。メンバーは前向き。新しい曲はどんどん生まれて来る。
でもそれはPOTSHOTなんだろうか、この後出て来るアイディアはほんとにPOTSHOTって名前でやるべきもんなんだろうか。
そんなとこが解散の理由なんでないかなあと想像した。想像ですよ。
今日やった曲は全てPOTSHOTに似合ってた、もちろん。
でもこの先は。
POTSHOTという名前を信じる人は多い。POTSHOTらしいPOTSHOT
だからこそ解散て選択もあるんではないかと思った。
そんな事気にしないで、コンセプトもメンバーもボーカルすらも変えて、同じバンド名でやり続けるバンドもいるけどね。
それはそれで、カッコいい。
でもPOTSHOTはそうでなかった。くどいけど想像。


いつも見る顔も珍しい顔。
「解散の時だけ来るのやめろや」と関係者入り口の列に毒づく人。お前もな。
沢山の人が何かを見届けに来る。


ライブの中味の事は分からない。
そんなに冷静でもないので。
リョウジがメンバーとの歴史を長い時間かけて語りだした時は、あぁ終わるんだなってジンとして。
市川くんが子どもを背負わせられながらベース弾いてる姿は、大笑いしたけど、忘れられないイイ風景。
最後の最後の曲が始まると、長い事ウチでバイトしてるトシコさんが、泣きそうなくらい幸せな笑顔で二階の客席から一階に走っていった。
その時、あぁ今日はそういうライブだったんだなと思った。
トシコさんの気持ちの奥の奥は僕には分からないけど、そういうライブがあった夜だった。


ありがとう。
お疲れさま。
どうせまた会うよね、すぐに。