幸福の王子

ところで、授業参観。
道徳。「こうふくの王子」をみんなで読んで、感想を言う。
あのほら、道ばたにあった像の王子がツバメに頼んで貧しい人々に自分のからだの一部の宝石や金を運んでもらうやつ。
それでね、授業の後半で、先生が
「王子はいいことをしたと思う人。」って聞いたの。
クラスのほぼ全員が手をあげたんだけど、ウチの娘と数人が手を挙げない。
えーと、どうしたんだろう、どんな意図なんだろうって思ってた。
授業の終わりには各自感想文書いてた。
何人かの児童が挙手して、さされて、読み上げてた。
大人っぽくいえば「王子の犠牲的精神に心撃たれた」って感想。
ウチの娘は手をあげてないなぁ。
感想文が書けなかったんだろうか、と思う。
家にかえって聞いてみたら、感想文はすっかり書き上がっていたけれど、みんなの意見と違うので間違ってるんだと思って、手を挙げられなかったって言う。
どれどれと読んでみる。
「王子は自分勝手だと思います。ツバメさんは冬になるまえに暖かいところにいきたかったのに、王子に何回もお使いを頼まれて、死んでしまった。ツバメさんがかわいそうです」
おお、なるほどそう来たか。
この話は子供も頃から何回も読んだし、目にした。でも、そんなとらえ方した事なかったよ。
もしかしたら幼いのかも、読解力不足かも。国語のテストだったらバツじゃないけどサンカクかも。
でもね、確かにな、ツバメからみたら迷惑だったかも、
嫌々お使いやってたわけでもないんだけど、確かにツバメは王子と会ってなかったら、命を落とさずにすんだかも
そして、僕ら両親とも、一回もそんな視点でこの物語読んだことないよって思った。
家に帰って、もちろん言った
「みんなと違ってても全然間違ってないよ。パパはこの感想文に100点」
これって、親バカ?
そうでもない気がする。