有ったほういいじゃん

こないだ、「編集者という病い」って本を見つけたので買った。
序章で「深夜特急」の事に触れられてて、強く印象に残った。
「編集者〜」はまだ序章しか読んでないのに、とりあえずアマゾンで深夜特急を三巻注文してみた。
全六巻なんだけど、アジア編の三巻までがまず読みたかった。
思いっきり早く着いたので、そっちから読み始める。あっちは序章から進んでないので、何か申し訳ないような、パンツが途中でずり落ちてるような落ち着かない気分だけど、『深夜〜』から。
うすうす気づいていたけど、
2ページほど読んでみて確信する。
やっぱこれ読んだ。学生のころ読んだ。
まぁいいじゃない、もう一回読んだって。読みたい気持ちになったんだから。


その話を旅好きな知り合いにしたら、後で貸してと言われた。
「へぇ、そうなんだ、君ならとっくに読んでると思ったけど」
「周りのヤツが全員読んでたんで、あの頃は読む気がしなかった」あぁそういう気持ち分かる。
バックパッカーだった彼は、バックパッカーのバイブルって紹介されたその本に軽い反感持っちゃったんだろうな。
でもそれから20年もたてば、彼もやっぱり読んでみようって思うらしい。
その時に興味がなかったけど、あとから興味涌く事ってある。その時は変に突っ張ってたけど、今考えれば大した事じゃないなって事もある。その時には分かんなかった事が、後からだと分かるって事もある。


生まれたての時に出会っちゃうってのも幸せな事だけど、
10年も20年もたって、後から出会うのも素敵な事だと思う。
本でもCDでも、他のモノでも。
だから残すって事は大切だと思うんだよなあ。
最近はヤマジのBOXとかも、そんな気分。今でなくてもいいけど、ずっと後でもいいけど出会って欲しいと思う。
どのアイテムにも言えることだけど、ずっとどっかに残ってて、誰かに会うのを待ってるって、素敵な事だ。
でもなかなか難しい。店舗スペースとか流通事情とか契約期間とか、事情なんて山ほどあるもんな。
それを乗り越えて、残るものは残る。
20年前でも30年前でも、100年前に出版された本でも買えるものもある。
一方、買えなくなってるものも無数にある。
好きなものはいつまでもあった方がいいので、そのために一所懸命やる。最近はそんな事思って仕事してる事が多いような。
合い言葉は『だって、有ったほういいじゃん』