924

一昨日手帳をひろげてみた。
あれ9月24日は予定が一杯だ、どうしたことだ。朝から晩まで会議でないか、もしかして924いけないのかなって一瞬驚愕した。
そうでなくて一日前にやるんだった今年は。
当日アックスについたら正門の前に張り紙がしてあって、
『犬が吠える』って言葉を初めてみた。ほとんどのお客さんが『なんだこりゃ』と思っただろうが、僕もその一人で、思わず写メとってしまった。
リハは順調にすすみ、本番はPeople In The Boxから。
いつも思うけどヘンテコな曲だなあって、これは褒め言葉。奇をてらってるわけではないんだろうけど、不思議な手触りのバンドだ。
こういう違和が王道になる瞬間があるんなら、その現場にいたいもんだ。そう思わせる。
フレッシュ感もあっていかったな。
the telephonesは正直この場所でこんなにやれるとは思わなかった。
固唾を呑んで見守るってこの空気をこんな風に陽性に塗り替える事が出来るとは思わなかった。
すまぬ、みくびってた。脳天気なのは素晴らしい。ガツンと一発やったんでないだろうか。
スパルタローカルズは鬼気迫る感じ。
それカッコいいね。
コウセイくんがステージ降りて、客と対峙する姿は、全盛期のゴルバチョフにも、じゃがたらのアケミにも見えた。これも褒め言葉ですよ。
エネルギッシュに駆け回る咆吼する様は、ロックを通り越して、人類原初ののエネルギーほとばしってたよ。
そして五十嵐くん。『犬が吠える』これがニュープロジェクトの名称らしい。
正直にいって、僕も初めてみるもんで、最初はなにがなんだか分からなかった。
わからないなりに、緊張して歌詞とメロディを追ってみる。
ああ、そうだなこの歌詞のつむぎ方、メロディーののせ方は、やっぱ五十嵐くんだと思う。
五十嵐くんが五十嵐くんでなければならない理由が、そこここに見える。
もちろんメンバーが違うんだから、サウンドの感触は違う。想像してたよりもだいぶバンドっぽいなあと思った。
一回目のライブからキッチリカッチリ完成形でせめてくんのか、はたまた、かなりの未完成、経過披露の風情なのか、ずっと想像をたくましくしてたけど、どっちでもなかった。
曲もバンドもかなりのクオリティに仕上がってるけど、隙のない最終形ではない。
7曲やったけどすでに、これいいわぁって曲が2曲、うわあこのあとどうブラッシュアップされるんだろってゾクゾクする曲が3曲、あ、これぞ五十嵐って曲が数曲。
いいもんみたって気持ちとこれからが楽しみだって気持ちが相半ばして、かなり興奮した。
ま、これは僕の感想なんで、他の見方する人も勿論沢山いるだろうと思うけど、
三月の武道館から六ヶ月、早かったなぁ。また五十嵐くんがステージに立ってるトコをこんな風に見る事が出来るなんて。こんなに早く見る事が出来るなんて、
ってのが一番の感想だったりする。
そう言う意味では『犬が吠える』のメンバー全員にとっても感謝してます。もちろん五十嵐くんにも。
ツアーが楽しみです。そして来年が楽しみです。とっても。

トータルで今年の924は楽しかった。
今年でないと絶対にこのラインナップになってないっって思う。そこのスリリングなとこ、今しか出来ないってトコがかなりよかった。
バンド同士が静かに緊張しあって、触発しあって、今ベストのパフォーマンスをするって、そんな場所が924だとしたら、今年もそうだったと思う。