ラッシュボール
東京はこの二三日、ずいぶん涼しくくなってたので、大阪もそんな風かと思ってたら大間違い。
大変に暑いでないか。
もっと夏向きの格好でくればよかったと、悔やむが、東京から来た大半のアーティストもそんな用意だったらしく、みんな悔やんでた。
いきなり結論をいうと、この夏のフェスではラッシュボールが一番楽しかった。
他のフェスのどこが悪いということでなく、肌があった。
ステージが四っつも五つもある巨大フェスもいいけど、
そこでの楽しみ方には「どう諦めるか」ってテーマがいつもつきまとう。
これを見ればこれは見られない、そんな事をいつも考えなくてはならない。
メインステージとATMCステージ、どっちかだけですよ。どっちも興味なければ休憩してくださいって、選択肢は、
これはこれでとても親切なのではないだろうか。
その上、出てくるアーティストが、自分に興味あるアーティストばっかりだったら言うことない。
ラッシュボールではそんな事思った。
フェスが成立するには様々な人が様々な役割を負い、採算の事も当然無視できない。
「ロックフェスのつもりが、なんんだか放送局のイベントみたいになっちゃった」、主催してるイベンターの人からそんな話を聞いた事も何度かある。
年間チャートのトップ10の人を順番にあたってくと、そりゃ人は入る企画になる。
それを楽しめる人は楽しめるけど、僕はあんまり楽しくないみたいだ。損な性格なのか得なのか分かんない、でもそうだ。
ラッシュボールと、同じ場所で開催されたOTODAMA、この二つのフェスには
ブッキングの流れに「人」が見えていい。その人の好きな音楽や空気が見えていい。
今年は残念ながらOTODAMAは行けなかった。
毎週毎週どっか行ってるんで、仕事になんないで断念した。来年か再来年行きたいな。
ラッシュボールは来てる人、出てる人が若い感じがする。
やる気満々だし、ガツガツしてる。そこが好きだと、ずいぶん好きなフェスになって、それがイヤだとイヤなんだろうと思うけど、
先方の態度がハッキリしてたほうが、こっちも態度決めやすいってモンだ。
なんでそんなに、大枠の話をしてるのか、自分でも不明だけど、
ラッシュボールで一つだけ残念なのは、とっても日陰が少ない事。
これだけはロケーションの問題なんでしょうがないのかもね。
でも、一発目から来て、最後まで見て帰ってくお客さんて一体どんな体力なんだろうと、
それって単純にすげえなと思う。そんな人が一杯いるんだもんね。
あの天気の中、僕には無理。半分も見ないうちにダウンすると思うわ。
そこでも、やっぱ若いっていいなぁと思う。
さてさて、おとぎ話みた。
東京からノコノコやってきたものの、泉大津まできたものの、
お客さんはいるのかいと思っていたら、
ずいぶんいて、それはびっくりした。
もしかして、おとぎ話、キテルんじゃないかと思った。
楽屋でなく、ただのテントでスタンバイ待ちするんだけど、すんごく暑い。
そんでボーカルの有馬くんは、いつもどおり、存在自体が暑苦しくて、
素敵だった。
フワフワしてるけどエグイ感じ、力抜けてるみたいなんだけど妙に粘っこい感じ、つまり、いつものおとぎ話だった。
POLYSICS見た。
楽屋にクーラーある。でもクーラーあるのはポリだけじゃないよ。あそこのエリアの人みんな有ったよ。
あるけど、プレハブの建物自体が熱せらてるんで、あんまし効かない。
アチいなぁなんて本番の二時間前は少しだれてる気配だったんだけど、
1時間前、30分前、そしてマリンルックに着替えてからは、
ピッとした雰囲気になって、さぁ今日もやるぞってモードになってく。
プロの人みたいと思った。
そんな軽口おいといて、
歌舞伎の人がさ、ズラつけるとパッとその顔になるように、
スッとね、ステージの人の雰囲気になってく。
こうして、いろんなトコ回ってるんだなあって思った。
ダーッと出てきて、あの持ち時間で10曲もやって、
俄然盛り上げて帰ってくのは、やるなあって、素直に思った。
今、最も夏フェスが似合うバンドがポリなんでないかなとも思った。
出てきただけで安心感あんもんね、あ今日もポリだみたいな。楽しませてくれんぞみたいな。
ここまでそれでいい。この夏それでいい。一つの形が出来て、そしてまた、それどう壊すかってのがいつものテーマだもんね。
今年の夏は週末フェスでて、平日東京に戻って曲つくって、また週末フェスでて、また戻って曲作るの繰り返し。
秋以降はどんなポリなのか、楽しみ。
カヨちゃんがリコーダー吹いてたとき、気持ちいい風が通った。
ラストのブギーテクニカが印象的だった。
銀杏見た。
いつも尋常でないテンションなんだけど、
今日は一段と、一曲目から暴発気味のテンションで来てて、大丈夫かいなと思った。
何が大丈夫で、何が大丈夫でないのか、そこは全然分かんない。
これはきっと誰にも分かんないと思う。
普通のバンドは感情を爆発させて、それをコントロールしつつ、一つのステージを作り上げるんだけど、
爆発させる事には命かけるけど、コントロールする気持ちは一切ないみたいだ。
それは、普通のパターンでは、破綻でしかない筈なんだけど、
銀杏はそれでライブになっちゃってる。
一体どういう事なのかさっぱり分かんないんだけど、
見たこともない種類の、どえらいライブになっちゃってる。
恐ろしく騒々しいメチャクチャに振り切れた演奏なんだけど、すんごく静かに胸の奥んとこを突いてくる瞬間がある。
出てきた時は「あ、峯田くん赤フンいっちょだ」ってびっくりしたけど、チンくんのホットパンツみたいなの尻が割れてるって思ったけど、
5分もしたら、なんも気になんなくなった。
そんな事どうでもいい、なんでも忘れさせるパワーがある。
終わってから、赤フンのみの峯田くんが力尽きて担がれながら楽屋エリアへ。
その姿だけ見た人、ステージ見てない人は、、コレ一体何があったんだと、ちょっとざわっとしてた。
バックステージはかなり和気藹々としてていいですよ。
へぇー、あそことあそこは仲いいんだとか、意外だなぁとか、初めて会う人と知り合ったり。
ラッシュボールの楽屋のご飯、とってもウマいんですよ。昼はお好み焼き、キムチ焼きそば、タコライス、夕方はステーキ丼。
スナックに豚マンとたこ焼き。大阪らしいラインナップで、しかもウマい。そういとこに底力を感じる。
全部みたいけど、死んじゃうから
モーサム見た。
ミドリ見た。
バンプ見た。
ドラゴンアッシュ見た。
いい日だと思った。
ハヤシくんは最後にDJあるんで、少しセーブしながら飲んでる気がするけど、
なにしろセーブしながらも、時間長いんで結局酔ってた。
そしてDJになって、
ATMCってとこははステージが高く、遠くからも見渡せて、お客さんがどんどん増えても全然平気な
のびのびした雰囲気がよかったなぁ。
テントみたいなとこのギュウギュウ感もいんだけど、
フェスの最後、夏の終わりはこういう伸び伸びした空気がいんじゃないだろか。
ハヤシくんはバンドでもDJでもいつも楽しそうだけど、この日のDJは特に楽しそうだった。
打ち上げられる花火を横目にみながらXジャンプする沢山の人々を見るってのは貴重な体験だ。
そんな体験したことない。
DJの最後の曲は有頂天のBYE BYE。
ここに来てる人、その曲知らないよね。
こんなの僕でもリアルタイムでは知らない。ハヤシくんにCD貸して貰って初めて知った。
でも、今日の最後の曲にピッタリはまって、泣きそになった人多いでしょ。これ多いでしょ。ね。
かなりいい一日だった。
ほんとに夏が終わったんだって思った。
ハヤシくんのお疲れ度はマックスで。珍しく打ち上げに出る事もなく撃沈。いじゃないですか、そういうの。
また来年、行きたいな。