子供がね

近所の大学の講堂でいろんな教室あんのね。柔道とか空手とか気功とか。
小学校の友達が空手習ってるからって、チーが体験教室にいってみたいって事になって、妹のモーも一緒に。
帰ってきたら二人ともやりたいというので、びっくりしたけど、まぁいいか。
月謝はただみたいに安い。開かれた大学を目指してるのかしら。


習い始めて二回目くらいですでに二人の性格がハッキリ出てくる。
チーは気に入って始めてるんだけど、やってる最中の姿はなんだかつまんなそうだ。
先生の動きを見てるんだか見てないんだか、勝手な動作を始める。
先生は右からつってんのに、なにも気にする事なく左ばっかやってたりして、お前はちゃんと聞いてんのか。
親としては、これでいいのかと考えちゃうよね。心配しちゃう。
でも、よそのお母さんにとっては
「もうすでにそんなに『自分』があっていいですね」とか言われたりする。
へぇ、そんな見方もあったりするのか。
とかく自分の子は心配で、そんな風には考えられなかった。
もしかしてチーは大人になって、「一人でラーメン屋に入れる女性」になれるのかもしんない。
それがいいのか悪いのか、さっぱり分かんないけど、そうなるかも。
広い講堂なんだけど、子供たちは密集したがる。ふざけあったり。
群れから少し離れて黙々と、あさっての事やってるチーがとっても大人っぽく見えてきた。


モーはなんだかすでに先生とも友達っぽい。
知らない男の子二人と友達になって、モーを挟んで、両側に男子がいる。二回目なのに。
やるなおヌシ。
客観的にみて、モーは可愛いとか美人とかではないけれど、なんだか愛嬌あって人好きするみたいだ。
全盛期の山田邦子みたいな事なんだろうか。しかしオヤジっぽい例えだとは思う、だってオヤジなんだもん。
モーの場合は空手そのものよりも道着が着たいだけなんだよね、ホントは。コスプレみたいな気分だ。
でも行ったらすぐに友達出来る。
そしてなんだかキビキビしちゃって、動作がイチイチ小気味いい。
あれれ、強くなっちゃったらどうしよう。
それっていいんだっけ。まぁいいけど。


面白いなぁ。
ほんと、同じ両親から生まれて、同じもの食べて育って、
でも性格って全然違うんだもんね。
違うよね。
両方好きだけど。