アラバキ

いろんな事があって面白かった。
昨日は椿屋の時間に間に合うように電車に乗ったんだけど、満員で。
仙台に行くときに座れなかった事なんか無かったんだけど、とても久しぶりに立ち席特急券。デッキに座る。
ま、2時間弱だもんね。4時間、いや6時間かかる時代もあったよなあと遠い目、そりゃ何年前の話だ。
とにかく、前もって指定券ぐらい買っておけばいいのに舐めすぎた。
アラバキ効果なのかすげえなーと思ったけど、車中は子連れまたは年配の方が多い。
世間はゴールデンウィークという事なのね。気づくの遅い。
仙台駅からバスで1時間。どんどん風景が寂しくなってくる。
こんなトコあったなあ子供の時。
いやいやいくらなんでも、こんなに奥の方じゃなかったぞ、なんて思う。
着いてすぐに椿屋みて。
なんか違う感じがするんだけど、なんだっけ。うーんとこれは。
暫く経ってから違和感の元に思い当たる。
強い日光の下、野外の椿屋はあんまし似合わない。
そうでもないと思った人いたらゴメンね。
でも、裸が一番魅力的な人も、ドレスアップして本領を発揮する人も、どっちもいるでしょ。
そんな事思った。
僕の思いとは関係なく、仙台を愛する椿屋は熱演して帰った。
第二の地元なんで、さすがに人が多かった。

その後はようこちゃんみたり、ジプシーズ、モンパチ、ピーズ見て。
時間はかぶってるので、全部キッチリ見るってのは不能だけど、
ここはステージ間が短いので、ずいぶん移動が楽。
次々に行けるので、結構中身のあるハシゴが出来る。


こういうフェスではバックステージで誰かに会うのも楽しみだったりする。
夜も更けて寒くなってきたので、そろそろ帰ろうかと思うたら
飲んでる一角から、ちょっと聞いていいって声がかかり、その主は山口洋さんだった。
「あのさあ、レコーディングの制作費と源泉の関係について聞きたいんだけど」
えっと、僕でいいんですか、えっとこの時間帯に源泉徴収税の話ですか。
初めて話したのは先日のロストインタイムの251の打ち上げの日だけだったりするのだが、山口さんは何についても熱心なので、気迫に押されて、一生懸命説明する。これは多分、バンドマンのDIYの話の一環なんだと思うので、出来る人はやった方がいいに一票なので、丁寧に説明する。
なるほどと言ってる山口さんのとなりに古明地くんとakeboshiくん。これは一体どんな会なんだろうかと、不思議に思う。
この日初めて山口さんとは友達になり、携帯番号を交換してみる。
さてさて、いよいよ寒くなったので、そろそろ今日の拠点を決めなくては。
またしても舐めてる事に、宿をとってない。
みんなが口々に「ホテルなんか取れませんよ、一杯で」と脅かす。
そんな事ない筈なんだけど、とは思う。なんでそんなに舐めてるのかというと、僕はここら辺が地元なんですよ。
今まで電車でも宿でも困った事無かったのよ。田舎だと思って舐めてるわけでなく、地元として馴れてたのね。
そんなに無い無いって言ってるけど、ほんとはどっかにあるんでしょなんて思いつつ宿を探すけど、
世の中ゴールデンウィークだった。
ゴールデンウィークだけは舐めちゃだめみたいだ。
と思ってても、なんとかなるさとのんびり構えてたらなんとかなった。
銀杏のメンバーは前日入りで、会場の近くのコテージに泊まってるらしい。
早速行ってみると、広々としたコテージで、こりゃ何人でも大丈夫そうなので、そこに泊めてもらう事にした。
宿も確保したので、他のコテージも散策してみると髭が泊まってるコテージがあったので訪ねてみた。
髭はスタッフは知り合いなんだけど、メンバーはそんなに知り合いではない。
小林さんは飲んでました。奥から焼酎が出てきました。
渋木さんが熱心にウインナを焼いてるのが印象的でした。
メンバーとはそんなに知り合いでなかったのだけど、その日から友達になった。と勝手に記憶する。
夜中、12時になったので、会場に戻り、ミッドナイトファイトを観戦する。
みちのくプロレス頑張ってました。
かなり寒いのに、レスラーは当然のように裸同然の格好で。
テレビで見てたらそんなに大したことない、パンチ一発、ボディスラム一発が、文字通り目の前で行われてると感動する。
普通の蹴りでもね、あれが自分だったら死んでるだろなあ、レスラーってすげえなあって、しみじみ思う。
ずいぶん泣けた。
それから銀杏のコテージに戻ってたら、ジプシーズの市川くんと下山さんが来てた。
下山さんと峯田くんが話すのは始めてらしい。気づけば山形つながりでないか、なんてのんきに構えてたら、
僕の方に顔が向く。
「初めましてじゃないよ、話した事あっただろ」と下山さん。
えーとそうだっけ、勿論ルースターズの頃からお顔は知ってますけど、僕と下山さん話した事ありましたっけ。
「あるよ、覚えてないだけだろ」
えーそうでしたっけ、ほんとですか、そんな機会有ったら絶対覚えてるはずなんだけど、
「僕はマサミくんとかモリタさんとか、下山さんの周りの人は一杯知ってますけど、下山さんと話すのは初めてですよ」
「そんなに回りのヤツ知ってて、知り合いでないはずがない。君が忘れてるだけだ」と言われて、うーん絶対そんな事無い筈だ、絶対無いはずだ。と思いながらも、酔ってきたので、その日は寝る。

寝て起きて今日は銀杏から。
その前に別のステージの一発目、勝手にしやがれを数曲見る。キマってんなあ相変わらずって思いながら、銀杏のステージに歩く。
そこにはくだんのマサミくんがいるではないか。
まあね、優秀なステージスタッフってのはそんなに多くないから、かなり重複するもんなんのよ。どこ行っても同じ顔が見えたりする。
彼は今日はフェスのステージスタッフって模様。
開口一番、疑問をぶつけてみる。「僕と下山さんて話したことあると思う?」
「あるでしょ、そりゃあ」
えー、ほんと、なんでそう思うの。
「だって、同じ場所に居たこと多いでしょ。相当前から」
うーん、それはそうだけど、ルースターズはかなり見たよ、でもファンとしてだし、その後も遠目から見てただけだからなあ。
「いやあ、話してるよきっと」既に随分日焼けしてる顔のマサミくんが追い打ちを掛ける。
なんか、だんだんと、僕の記憶が間違ってるような気もしてきた。やっぱ、会ってんのかな、そうなんだろうか。とりあえず今度あったら初めましてでないって事は確定って事で、一旦収束して、銀杏見よう。

銀南はのっけから飛ばしてて、「銀杏BOYZ」としか言えないね。
峯田くんがMCで言ってるように、ロックすらも関係なくなってるね。
あらゆる枠を超えて、単に銀杏BOYZなんだね。
フェスに呼んでもらってなんだけど、この後のどんなアーティストみても、頭から銀杏の事が離れなくて、
そういうのって、フェスにとってもいけない事なんでないかと、ちょっと思った。
銀杏はフェスの枠に取り込まれない。出すんならフェス対銀杏になるんだなあって、ちらっと思った。
ま、主観なんでね。ほかの感じ方する人は沢山いるだろうけど、僕はそう思ったよ。
それは僕の主観。

その後は、Unkie見て、エルレ見て、スパルタ見て、屋台の張さんと話して。
Unkieカッコよかったなあ。
インストだからね。プレイが見える。カッコいいのよ、やってる事がイチイチ。
インストだからね、物足りない人もいるかも。歌が欲しいって思うかも。
どっちかに別れるオンザエッジなバンドだった。

名残惜しいけどそろそろ帰ろっか。
またしても帰りのチケットは取ってないので、デッキにベタ座りして帰る。
地元だと思って安心するのはいいけれど、ゴールデンウィークは舐めないほうがいいって、教訓をエルレ

ところで、仕事も知り合いも一切関係ないバンドで一番心に残ったのは宮沢和史さん。
新しいバンド組んで全部新曲で。
タフなんだけどハードでなくて。極めて豊かな音楽で。
どんな年齢の人でも充分楽しめるような、広くて、深くて、なんつっても楽しい音楽で、
文字通り音楽で、
こんなのが世の中じゅうに染みていけばいいのになあって思った。

家について体重計に乗ったら、ここ一週間で減った2キロが戻ってた。ショック。コテージのバーベキューか?
ヤケ糞になって、近所のラーメン屋でつけ麺食べて寝る。つけ麺はラーメンに非ずって唱えて寝る。