七五三

ここ何日か更新出来なかったのは、七五三。
どうも僕が思っていたよりも重大な事であるらしい。
4人家族に加えて、お互いの両親が二人ずつ4人、計八人で執り行う一大イベントに成長してた。
どうもみんな楽しみにしてるらしい。
そしてこれは重大なイベントらしい。


前の日から貸し衣装がなんだとか、写真館の時間を確認とか、
下の子が転んで鼻にかさぶた出来ちゃったけど当日まで治るのかとか、
ウチの両親は始発で来ると言い張ってるけど、そんなに早くこられると迎えにいくこっちが困るので、説得したり、
意味も無くソワソワしたりと、ずいぶん忙しい。
朝も早よから東京駅まで迎えに行ってみると、始発は断念したものの、僕に告げていたよりも
一本早い電車でやって来て、待っていた。なぜ一本早く来る。
なぜなのかは分からないけど、そういうものなんだろう。
一事が万事そんな調子ですすむ。
準備はするけれども、全体を仕切ってコントロールする意志は早いうちに放棄しなければならない。
おじいちゃんとばあちゃん軍団と接するには、そんな覚悟が必要だ。


午前中から着付けされたり、写真とられたり、お参りしたり。
始めは着物や髪飾りや化粧の新鮮さに喜んでる子どもも、すぐに飽きる。
いつまでも着せておきたくて、何本フィルムがあっても足りない気がする大人の事情は、
簡単に拒否される。
「せっかくだから」そんな言葉は通用しない。うーん。


八人でお昼。
我が家に収容はできるけど、そんな大きなテーブルもないので、お向かいの古民家のお座敷を借りて、昼食。
我が家的にはご飯の支度が出来る余裕は全くないので、おとなりのオカズデザインさんちにお願いしてある。
なんとまぁ、オカズデザインはdaimas cefeの中心スタッフなんですよ。
こんなトコでもそんなコト。
鯛の炊き込みご飯、お吸い物、冬瓜などなどand more、お年寄りたちにえらく好評。
おじいちゃん達とおばあちゃん達の会話のテーマは
「そろそろ体に無理がきかない」とか「孫の嫁入りまで頑張る」とか。
ああそれね、5年前にも10年前にも聞いたので、僕は参加せず。
でも、盛り上がってるので、その話で続けてもらっていいですよ。
昼の宴会という事も、早起きだった事も、満腹だった事もあり、前々からの予報を裏切って好天でポカポカしてた事もあって。僕はお座敷で、船をこぐ。やたら眠い。


夕暮れ時、古民家の前庭あたりに、近所の方々集まって、いろいろと持ち寄っていただいて、
ワイワイ。
これも一応、段取りのうち。
夕食を準備するガッツもアイディアもないので、持ち寄りの宴会にたよる。
三階のSさんが早くからダッチオーブンごと、鶏を持ってきてくれてる。
おにぎりとおでんと豚汁とお好み焼きと、七輪に乗ったサンマとその他にも沢山。
充分すぎる。
遠いとこから来た両親は、夕方の会にはちいとも参加しなかったけど、
喜んでる。近所の付き合いがあるって事だけで、かなり安心してる。
ここは子どもも多い。遊び仲間に不自由しない。


夜になって近所の子たちと別れて、ウチの子どもたちは家にいて遊んでる。
今日は家に帰ってからも遊んでくれる人一杯だもんね。
「おばあちゃん達がずっとうちにいればいいのに」無邪気な一言に、70代勢、全員フィーバー。
一緒に暮らしてたら、そんなにわがままも聞いてくれないし、子ども独特のくどくど反復される遊びに付き合ってくれる筈もない。
真剣についてる、今日だけの、一瞬だけの、他愛ないウソ。
そんな事みんな知ってる。全員が「親」なんだから。
でも、ここは気軽に騙されて、乗っけられて、
「そんな事言ってくれるだけで、来たかいあった」と受けてくれる。


特にウチの両親は出不精で、滅多に東京にこない。
僕はここに引っ越して来て2年過ぎようとしてるけど、一度も来た事なかった。
七五三の引力おそるべし。


なんだかんだと忙しかったが、おじいちゃんとおばあちゃんが安心した顔で帰っていったので、
僕らもとっても嬉しかった。
なんかいい事出来た気がした。
あんなに安心したら、次に来るのは10年後か。そんな事ないといいけど。


オカズさんち始め、ご協力しただいた、ご近所の方々に感謝してます。ありがとございます。


なんとなく気になってなのだろうか、ずいぶんと気持ちがすっとした。
平日になって仕事になって、そんなスッキリした感覚が持続する予感がかなり。
行きますよ。