ケンタロウ君(仮名)のお父さんから蟹が送られて来た。
どうもペリカン便の人との相性が悪く、不在の時に限って訪れているらしい。
おかげで、発砲スチロールの箱は何度も営業所に戻ってるとの事。
とうとうドライバーから電話が来て、「今日は何時にご在宅ですか」
「えーと、6時ころなら家内が」と答えた。
会社にいると6時半に家内から電話。
「子供たちと一緒に外食します」
えー、ペリカン便はどうすんだ。すっかり忘れてたとの事。幼稚園の子供たち仲間とご飯を食べてて動けないらしい。
しかたないので、ケンタロウくんに電話。お父さんの電話番号を聞き出して、実家へ連絡。お母さんが出たので、伝票番号を聞く。伝票番号をペリカン便のHPに打ち込むと、どこの営業所に留め置いてるのか、すぐ分かったりして。
とりあえずドライバーと交渉して、区域外だけど、自宅でなくて僕がいる会社まで配達してもらうことにした。
この感10分以内でなんと手際のいいことかと、自分で感心する。
仕事してて良かった。あるいは、仕事でも出せ、その手際。

箱を受け取ってみると、なんと住所が間違ってる。
不在もクソもない。届くはずないじゃないか。どうりで不在伝票も無かった訳だ。
大丈夫かしっかりしろ、ケンタロウ(仮名)またはケンタロウの父(仮名)
ポカなので仮名にしとく。
結構、不在期間が長かったらしく、中味が不安になって来た。

折角送ってくれたので、食べたい。会社に送ってもらったのは、家に誰もいないって理由もあるけど、みなで食べてみたいと思ったから。
箱を開けてみると冷たい。お、これはいけるんじゃないか。
匂いを嗅いでみる。

うんこくさい。

なぜか蟹がうんこくさい。
蟹ってこんな匂いだったっけ。
開けた箱をしめて、何喰わぬ顔で会社を出る。
家に帰ってまじまじ見る。
見た目も、一口食べた感じも悪くないような気がするが、とても臭い。
うーん。どうすべえ。
どうすべえ。
送ってくれた人の気持ちになると、このままゴミ箱には。
でも、この蟹は何か何だぞ。
うーん。


それにしてもペリカン便の人は間違った住所を教えられて、一体どこの家に行ってたんだろ。
どこの家に行って「留守なんだなぁー」なんつってたんだろ。それも不思議。