今日は会社にやたら濃い人々が次々現れて、話ハナシはなし。かなり疲れて家に帰って9時に寝てしまった。水を飲みに起きて、ついパソコンの電源を入れてしまったら、驚いた。昨日の書き込みのコメント欄はまるで「要望掲示板」でないか。
寝てる場合でも無い。その意味を考える事と、なにかしら答えることが必要だと思った。

今日は長文になると思う。そして解決も決着もされないと思う。だから結論だけに用がある人は読まない方がいいと思う。不遜な言い方だけど、親切の予告のつもりです。すまんです。

とりあえず、「遠藤社長」っていうのはやめてください。何のために『daimasの日記』にしてるのか。それなら『遠藤幸一の社長日記』でいい。みもふたもなく本名でいい。別に僕はここでは、隠れようとか匿名でとかは思ってない。代沢のどのCDにもフルネームでクレジットされてるし、UK.PROJECTのHPではフルネームで出してる。ハンドルでやってる方が自然で自由な事が言えるような感覚があるのでそうしてる。その感覚は大事だと思うので、大事にしてやってください。
とにかく、「要望掲示板」には驚いた。僕も真剣だが、読んでくれてる方々、コメントつけてくれる方々、真剣で熱いんだなと感じた。切迫感すら感じた。
黙殺することも出来るし切り捨てる事も出来る。でも僕がこうしてブログを開いて、発信して、コメントも受け入れる形にしているのは、やっぱり、コミニュケーションしたいからなんだ。だから、様々なコメントがとても嬉しい。
嬉しいがしかし、重い。僕は僕のキャパを広げなくてはいけないとは常々思っているが、それにしても重い。
でも、ここでこうやって発信して、リアクションも受けとるって事をやりたかったのも自分なので、真摯に受け止めて出来る限りの答えは返したいと思う。
もし、今度のDVDがどこぞのレコード会社から出されるのであれば、そんなコミニュケーションは無い。SONYの社長やEMIの社長が、ブログのコメント群には答えない。悪口ではない。それはそれでいいトコあるんだ。そういうやり方の方がキチンと仕事出来て、その結果沢山の音楽を広める背景が作れる事もあるんだ。
僕はこうして、話せる場を設けられた事をとても嬉しく思う。ほんとにそう思う。
僕はこれから僕が思ってる事を言おうと思う。その返信で、腐るほど反対意見が返って来ても構わない。あまりに叩かれて、コメント切ったり、ブログ閉じたりしたら、負け犬のクソ野郎と呼んでくれて構わない。

DVDの収録曲についていえば、出来る事は出来るし、出来ない事は出来ない。
今回のDVDだけでなく一般的に「どうして完全収録は難しいのか」あげてみたい。あくまで一般論。
1)DVD1枚に収められる時間は限られている。2枚組にする事は可能だがプレス代は2倍になる。
2)あまりに高価格の商品は売れない。売れなくていいけど、赤字プロジェクトは継続する事ができない。
3)通常、DVDなどの映像の制作費はCDの録音の制作費を上回る。一方、一般的にDVDの売り上げはCDの売り上げの1割ないし2割。
4)照明が暗すぎると絵が撮れない。
5)当日のデキは重要。その場にいたら楽しめる事がお茶の間では楽しめない事も多い。現場ではノリで済ませられる一音も、DVDと言ういつでも再生できるパッケージになるなら、重大な問題。
6)ライブでしか再現できない空気を持った曲はある。CDにはするけど。DVDにはしたくない曲はある。
7)各カメラにはテープが入っててる。3時間のコンサートであれば2回から3回のテープチェンジがある。
曲中でチェンジした場合、その曲の絵は極端に少なくなる。しかも、同じ時間に3台のカメラがチェンジしたりする。
8)一般的に、メジャ−レーベルの契約では、所属当時の楽曲を他社の使用の為に再録音出来ない期間についての条項を必ず設ける。
特に8)については丁寧に言いたい。誰もが知ってる事なので名指しするが、レベル/トライアド/コロンビアには感謝してる。そういった契約の枠を越えて、所属時の収録楽曲をDVD化することに理解をしめしてくれた。もっと前にはCDのdelayedeadの発売スケジュールについてもかなり協力してもらった。感謝してる。

さて、1)から3)は重複してる事項もあるけど、8項目あげた。
野音の時は30曲やって、今回の発表では17曲だ。残り13曲が何番の事項に該当するから外す決断をしたとは言えない。
何番のせいでって話をしだしたら、これは誰の責任でって話になってしまう。そんな事言い合ってもしかたない。この場所では僕が引き受けなくてはいけないことだと思う。勿論、僕の責任の範疇で収録出来なかった曲もある。
すいません。どの曲とは言えないけど、確かにある。

リアル人気高いなぁ。そりゃ入れたいよ。でも無理だと思う。
なぜか。どう説明すればいいのか分からない。ごめんな、俺ももっと成長するよ。今は何をどういったらいいか分からない。言葉にできないってのもホントだし、1曲ずつ取り上げていったら必ず誰かを名指しする羽目になる。それは本望でない。誰かには、僕も入ってる。
あと十年後に、貴方と一対一で話せた時にうまく説明出来るかも知れない。今日の今はそれが僕の限界だ。

ぐずぐず言ってすまないなぁ。
でもね、これだけは言っておきたい。
僕は野音に行った。その前のツアーにも行った。
ライブはライブで、それ以上はないんだ。レコード会社のモンがそんな事いうのは敗北宣言かも知れないけど、ライブは特別なんだ。
そこに行ってその瞬間を体験しなければ受け取れない、言葉にできないなにかを受け取りに行くんだ。
その追体験はライブ盤でも完全収録のDVDでも決して出来ない。あれはあの瞬間の事で、その後に発売されるパッケージは、その日の出来事とは別の物なんだ。
別の物なんだ。でも僕らは出したい。きっとそこにはなんらかの意味があると思う。
なんらかの意味がないのに出すならスタッフ全員辞めればいいと思う。
きっと、誰かは気に入ってくれて、誰かにとっては宝物のDVDになると思う。
貴方には宝物になるかも知れない。違う貴方にはゴミかも知れない。どうしたらいいか分からない。でも手に入れたい誰かがいるなら届けたい。
僕は僕で、完全でない。きっと貴方もそうだと思う。僕には全員が納得することを実現するのが、まだ無理なのかも知れない。でもやっぱ出したいんだよぉ。発売したい。そこを恐れてたら、なにも変わらない。

一応終わりだけど、まだグダグダ続くので、追記で。(やっぱり詳細な説明は出ないし、グズグズしてるだけです)



急に下世話になるけど、この仕事は風俗関係の感じに似てると思う。
例えばキャバクラでサヤカちゃんの事が気に入ったとするじゃない。彼女目当てで毎日店に行く。ムッ、なんだか店員の態度が悪い。システムも暴利だ。トイレ汚い。つまみ不味い。やだこの店。
でもサヤカちゃんには会いたいのでその店には行く。店は嫌いでも。
僕らの仕事も似てるよね。代沢とかUKとか関係ない。syrupのファンはsyrupが好きなだけで、コロンビアでも代沢でも、別に関係ないんだ。
みんなサヤカちゃんが気になってるだけだ。
僕は店長でサヤカちゃんとも仲いい。たまには仕事帰り、タクシーで送っていったりする。

五十嵐くんとタクシーに乗った。
突然彼は『ちしじゅってんじゅう』でどうですかって聞いてきた。
あんぐりとした。
なんでこんな事思いつくのだろう。実は五十嵐くんも自分で不思議がってた。
僕はその瞬間、このDVDは是非出さなくてはいけないと思った。
キャバクラの店長でなくて良かった。これは秘密の話ではないんだ。僕はタクシーの中でのサヤカちゃんの思いつきを世の中のみんなと共有出来る。遅死10.10はどこのレコード店でも見つけられるだろう。後はどんだけ沢山の人に手渡せるかだ。

ちなみに僕はキャバクラ行った事ないです。


思いは重いなぁ。それを受け止める強さを持てと言われてるんだろう。頑張ります。
まだ、足りてないので、出来れば長い目で見てください。中年でも伸びるんですよ。

完全収録したいなぁ。
すべての準備が整って、少しの運にも恵まれて、経済も成り立って、少々強引に行ける時には、必ずそうしたい。
それがシロップなら言う事ないけど。こればっかりは自分の成長と運の巡り合わせと、両方が必要。
今回は残念だけど、そのタイミングでない。ごめん。

僕は野音に行って良かった。
もいちど言う言うけどその全てを追体験する事は無理だ。
ライブはライブで、その瞬間を楽しむものだ。なにをどうやってもDVDに封じ込められない。
パッケージにはパッケージの良さが有る。別なものとして受け止めてほしい。
僕はDVD見たい。きっと家でも見る。ライブの現場とは違った意味で何回も家で楽しむと思う。


この流れでそんな事言うのは場違いかも知れない。前にも書いたけどもう一回言わせて。
「コップに半分しか水がないって嘆いてるより、半分も入ってるって思う人がハッピー」
そう思う。
僕が今ここでそう言うのは傲慢かもしれないけど、これは大事なメッセージなんだ。

リアルでも他の曲についてもも言えることだけど、シロップの彼らが未来永劫、演奏しないって決まったわけではない。
同じ様に将来、絶対に映像化されないって決まったわけでもない。
解散してないよ。まだまだ続くよ。どんな曲だって彼らが思いさえすれば、またやるんだ。それは幸せだ。
DVDで見たい人は、見たい気持ちを持ち続ければいい。
ライブで見たい人はその瞬間を味わえばいいと思う。
かなうと思い続ければいい。僕もそうだから。

僕もそうだから貴方も同じと信じたい。
自分の好きな物が人も同じ気持ちの筈だと信じる気持ちがないと、この仕事は出来ない。
だから、きっとそう。

今日はちっと正直になりすぎた。くどかったらゴメン。
なんやかんや文句言われる事も、要求されることも嬉しかったんだよ。そしてその全員には答えられない自分に気づく事も有り難かった。
負け犬のクソ野郎にならないよう、奮起します。

明日はまたひょうたんの事とかかかせてね、それもこの日記なんで。